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        中国のICP届出手続きを完全解説。ウェブサイトとアプリの届出に必要な書類、審査プロセス、ICP届出とICP許可証の違い、外国企業の申請方法、よくある却下理由を網羅。2026年最新の政策変更に対応。

ICP届出完全ガイド:ドメインからウェブサイト公開までの全ステップ(2026年最新版)

中国のICP届出手続きを完全解説。ウェブサイトとアプリの届出に必要な書類、審査プロセス、ICP届出とICP許可証の違い、外国企業の申請方法、よくある却下理由を網羅。2026年最新の政策変更に対応。

核心結論:ICP届出(ICP备案)とは、中国大陸でウェブサイトやアプリを運営するために必須となる行政手続きであり、中華人民共和国工業情報化部(MIIT)が国務院令第292号「インターネット情報サービス管理弁法」に基づき管理しています。届出手続き自体は無料で、ホスティング事業者(接入商)を通じて申請を提出します。審査期間は初期審査1〜3日、通信管理局審査10〜20営業日が標準です。2024年以降の政策改正により、従来のウェブサイトだけでなく、モバイルアプリやミニプログラム(小程序)にもICP届出が義務化されました。

中国大陸に向けてオンラインサービスを提供するすべての事業者にとって、ICP届出は避けて通れない「入場券」です。届出なしにサービスを提供した場合、ウェブサイトのブロッキング、罰金(最大100万人民元)、さらにはサーバーの強制差し押さえといったリスクを負います。

本記事では、ICP届出の基本概念から実際の申請手順、外国企業の対応策、2026年最新の政策動向まで、日本の事業者が中国市場に進出する際に知っておくべきすべてを網羅的に解説します。

シリーズ記事:本記事は「中国ドメインシリーズ」の一部です。ドメイン登録の基礎は.cnドメイン登録完全ガイドを、中国語ドメインについては中国語IDNドメインガイドをあわせてご覧ください。

ICP届出とは何か

定義と法的根拠

ICP届出(正式名称:インターネット情報サービス届出、中国語:互联网信息服务备案)は、中国大陸内のサーバーを利用してインターネット情報サービスを提供する際に、管轄の通信管理局に対して行う登録手続きです。

法的根拠は以下の通りです:

  • 国務院令第292号「互联网信息服务管理办法」(2000年9月25日施行):すべてのインターネット情報サービスは届出または許可を取得しなければならないと規定
  • 工業情報化部令第33号「非经营性互联网信息服务备案管理办法」(2005年3月20日施行):非営利性サービスの届出管理を詳細に規定
  • 工信部令第2023年第27号:アプリおよびミニプログラムの届出要件を追加(2024年施行)

ICP届出番号の構成

届出が完了すると「ICP備案号」(例:京ICP备12345678号)が発行されます。この番号はウェブサイトのフッターに表示することが法的に義務付けられています。

番号の構成:

  • :届出地の省略称(北京の場合「京」、上海は「沪」、広東は「粤」など)
  • ICP备:届出の種別表示
  • 12345678号:固有の届出番号

ICP届出とICP許可証の違い

中国でのオンラインサービス運営に関わる制度として、「ICP届出」と「ICP許可証(経営性ICP許可証)」の2種類があります。これらは頻繁に混同されますが、性質が大きく異なります。

比較項目ICP届出(ICP备案)ICP許可証(ICP经营许可证)
正式名称非営利性インターネット情報サービス届出付加価値電信業務経営許可証(B25類)
対象非営利性のウェブサイト・アプリオンラインで有償サービスを提供する事業
費用無料申請費用あり(代行業者利用で5,000〜20,000元)
取得難度比較的容易審査が厳格で要件が多い
申請先ホスティング事業者経由で通信管理局省の通信管理局に直接申請
審査期間10〜20営業日40〜60営業日
最低資本金要件なし100万人民元以上
外資規制外資でも取得可能(制限あり)外資持分50%以下の制限あり
具体例企業紹介サイト、ブログ、情報サイトEC、有料会員制サイト、オンライン広告プラットフォーム

判断基準:ウェブサイトやアプリを通じてユーザーから直接対価を受け取る場合はICP許可証が必要です。情報提供のみで収益を直接得ない場合はICP届出のみで運営できます。

注意:企業サイトに商品紹介ページがあるだけではICP許可証は不要です。実際にオンライン決済を通じて取引が完結する場合に必要となります。

ICP届出が必要な場合・不要な場合

届出が必要なケース

以下の条件をすべて満たす場合、ICP届出は必須です:

  1. サーバーが中国大陸内に設置されている(阿里云、腾讯云、华为云などの中国IDCを利用)
  2. 独自ドメインでサービスを提供している
  3. 中国大陸のユーザーにサービスを提供している

2024年以降の追加要件:

  • モバイルアプリ(iOS/Android)で中国大陸向けサービスを提供する場合
  • WeChat・Alipay・百度などのミニプログラムを運営する場合

届出が不要なケース

  • サーバーが中国大陸以外(香港、日本、シンガポール、米国など)に設置されている場合
  • 中国大陸からのアクセスを想定していない場合
  • IPアドレスのみで運営し、独自ドメインを使用していない場合(推奨されない)

実務的な判断:中国大陸のユーザーに高速かつ安定したサービスを提供するには大陸内サーバーがほぼ必須です。香港サーバーは届出不要ですが、大陸からのアクセス速度が不安定になる場合があります。中国市場を本格的にターゲットにするなら、ICP届出は事実上避けられないと考えるべきです。

届出前の準備事項

ICP届出をスムーズに通過させるために、以下の準備を事前に整えておきましょう。

1. ドメインの準備

ICP届出に使用するドメインは、以下の条件を満たす必要があります:

  • 実名認証(実名制)が完了している:ドメイン所有者の情報と届出申請者の情報が一致していること
  • MIITが認定するTLDであること:.com、.cn、.net、.orgなど主要なTLDは問題ありませんが、一部の新gTLDは認められない場合があります
  • 有効期限が十分に残っていること:届出審査中に期限切れにならないよう、少なくとも3ヶ月以上の残存期間を確保

ドメインをまだ取得していない場合は、NamesLinkドメイン検索ツールで1,500種類以上のドメイン拡張子を瞬時に検索し、最適なドメインを確保できます。中国向けのドメイン戦略を立てる際には、AIドメインネームジェネレーターを活用して、中国市場に適したブランド名のアイデアを得ることも効果的です。

関連記事:.cnドメインの登録手順と実名認証の詳細は.cnドメイン登録完全ガイドをご参照ください。

2. サーバー(ホスティング)の準備

  • 中国大陸のIDC事業者と契約:阿里云(Alibaba Cloud)、腾讯云(Tencent Cloud)、华为云(Huawei Cloud)、百度云(Baidu Cloud)などが代表的です
  • 接入商のICP届出システムへのアクセス権限を確認:届出はホスティング事業者のシステムを通じて提出するため、サーバー契約が前提条件
  • サーバーの届出サービス番号を取得:各クラウドサービスで「備案服務号」を発行してもらう

3. 必要書類の準備

個人の場合:

  • 身分証明書(中国居民は身分証、外国人はパスポート)の表裏の写真
  • 携帯電話番号(SMS認証用)
  • メールアドレス
  • ウェブサイト責任者の顔写真(一部の省で要求)

法人の場合:

  • 営業許可証(工商営業执照)のカラーコピー
  • 法定代表者の身分証明書
  • ウェブサイト責任者の身分証明書(法定代表者と異なる場合)
  • 法人用の携帯電話番号
  • 法人名義のドメイン証明書
  • 授権書(ウェブサイト責任者が法定代表者と異なる場合)

4. ウェブサイトの準備

  • 届出審査中はウェブサイトを未公開状態にしておく(コンテンツが表示されていると却下される場合あり)
  • ドメインが実際にサーバーのIPアドレスに解析されていること
  • 違法コンテンツ(ギャンブル、ポルノ、無許可の医療情報など)が一切ないこと

ICP届出の完全7ステップ

ステップ1:ホスティング事業者の届出システムにログイン

契約しているクラウドサービス(阿里云、腾讯云など)のコンソールから「ICP届出」(ICP备案)セクションにアクセスします。各社とも専用のWeb届出システムまたはモバイルアプリを提供しています。

  • 阿里云:「备案」→「开始备案」
  • 腾讯云:「备案」→「开始备案」
  • 华为云:「备案中心」→「新增备案」

ステップ2:主体情報の入力

「主体情報」とは届出の申請主体(個人または法人)の基本情報です:

法人の場合の入力項目:

  • 主体の種別:企業、個人事業主、社会団体など
  • 企業名(営業許可証と完全に一致すること)
  • 統一社会信用代码(営業許可証番号)
  • 営業許可証の住所
  • 法定代表者の氏名・身分証番号・連絡先

個人の場合の入力項目:

  • 氏名(身分証明書と完全に一致)
  • 身分証明書の種類と番号
  • 住所
  • 連絡先電話番号・メールアドレス

ステップ3:ウェブサイト情報の入力

  • ウェブサイト名称:正式かつ適切な名称を記入(「私のブログ」のような曖昧な名称は却下される可能性あり。個人の場合は「○○の技術ブログ」など具体的に)
  • ドメイン:届出対象のドメインを入力(wwwの有無は問わない)
  • ウェブサイトのサービス内容:ドロップダウンから選択(企業公式サイト、個人ブログ、総合情報サイトなど)
  • 前置審批の有無:ニュース、出版、医薬、教育などの特定分野は事前に関連部門の許可が必要

ステップ4:書類のアップロードと顔認証

  • 各種証明書をシステムにアップロード(鮮明な写真で、四隅が完全に写っていること)
  • 顔認証:多くの省では、ウェブサイト責任者がスマートフォンのカメラを通じてリアルタイムの顔認証を実施。以前は「幕布写真」(特定のバナー前での撮影)が必要でしたが、2020年以降ほぼすべてのホスティング事業者でオンライン顔認証に移行しています。

ステップ5:ホスティング事業者による初期審査

書類提出後、まずホスティング事業者の届出担当チームが内容を確認します:

  • 審査期間:通常1〜3営業日
  • 確認内容:書類の整合性、記載事項の正確性、写真の品質
  • 不備がある場合:メールまたはSMSで修正依頼が届く。迅速に対応すること

ステップ6:SMS認証の完了

ホスティング事業者の初期審査を通過すると、工信部からSMS認証コードが届きます。

最重要注意事項:SMS認証コードの有効期限は24時間です。24時間以内に認証を完了しないと届出申請は自動的に却下され、最初からやり直す必要があります。

認証手順:

  1. 登録した携帯電話に6桁の認証コードが送信される
  2. 工信部の短信核验ページ(https://beian.miit.gov.cn)にアクセス
  3. 認証コード、携帯電話番号、身分証末尾6桁を入力
  4. 「提交」をクリックして認証完了

ステップ7:通信管理局の最終審査

SMS認証が完了すると、申請は管轄の省・市通信管理局に転送されます:

  • 審査期間:10〜20営業日(省によって異なる)
  • 審査通過:届出番号が発行され、メールとSMSで通知
  • 審査却下:却下理由が通知され、修正後に再申請可能

省別の審査期間比較

審査にかかる日数は省によってかなり差があります。以下は2025〜2026年の実績に基づく目安です:

省・直轄市平均審査日数備考
北京市5〜10営業日比較的迅速
上海市7〜15営業日標準的
広東省10〜20営業日申請量が多く遅延傾向
浙江省5〜12営業日比較的迅速
江蘇省7〜15営業日標準的
四川省10〜18営業日やや遅め
湖北省8〜15営業日標準的
福建省10〜20営業日審査厳格
山東省7〜14営業日標準的
河南省10〜18営業日やや遅め

ヒント:法人届出の場合、届出地は営業許可証の登記住所の省に紐づきます。審査が迅速な省に法人登記がある場合は有利ですが、届出のためだけに法人登記地を変更するのは現実的ではありません。

外国企業のためのICP届出ガイド

外国企業が直面する課題

外国企業(日本企業を含む)がICP届出を行う際に直面する主要な課題は以下の通りです:

  1. 中国大陸に法人格が必要:ICP届出には中国大陸で登記された法人の営業許可証が必須
  2. 言語の壁:届出システムは基本的に中国語のみ
  3. SMS認証が中国の携帯番号で必要
  4. 政策の頻繁な変更

外国企業の3つの選択肢

選択肢1:WFOE(外商独資企業)を設立

  • 最も正攻法のアプローチ
  • 100%外資で中国法人を設立
  • 設立期間:2〜3ヶ月
  • ICP届出の取得まで含めると:3〜5ヶ月
  • メリット:完全な経営権を保持
  • デメリット:設立コストと維持コストが高い

選択肢2:合弁企業(JV)を設立

  • 中国パートナーとの合弁
  • ICP許可証(経営性)が必要な場合は外資比率50%以下の制限あり
  • 非営利性のICP届出のみなら外資比率の制限は緩い
  • メリット:現地パートナーのサポートが得られる
  • デメリット:経営権の分散、利益配分の問題

選択肢3:中国大陸サーバーを使用しない

  • 香港、日本、シンガポールなどのサーバーを使用
  • ICP届出は不要
  • メリット:手続きが不要で即座にサービス開始可能
  • デメリット:大陸からのアクセス速度低下、百度SEOに不利、一部ユーザーからの信頼性低下

外国企業の実務的なステップ

WFOE設立からICP届出完了までの標準的なタイムライン:

  1. 事前準備(2〜4週間):会社名の事前審査、事業範囲の確定
  2. WFOE登記申請(4〜8週間):営業許可証の取得
  3. 銀行口座開設(1〜2週間):法人口座の開設
  4. 税務登記(1週間):税務局への届出
  5. ドメイン実名認証(3〜5営業日):ドメインの所有者情報を中国法人名に変更
  6. ICP届出申請(2〜4週間):ホスティング事業者経由で届出提出
  7. 届出完了後のサイト公開

合計所要期間:約3〜5ヶ月

費用の目安:WFOE設立に10〜30万人民元、ICP届出自体は無料ですがコンサルティング費用を含めると別途1〜5万人民元が一般的です。

2024〜2026年の重要な政策変更

APP届出の義務化(2024年4月施行)

工信部の「モバイルインターネットアプリケーション情報サービス管理規定」により、2024年4月以降、中国大陸で配信されるすべてのモバイルアプリにICP届出が必要となりました。

影響範囲:

  • Apple App Store(中国区)で配信されるアプリ
  • 各Androidアプリストア(华为、小米、OPPO、vivoなど)で配信されるアプリ
  • 届出なしのアプリは各ストアから削除対象

アプリ届出の追加要件:

  • アプリ名、パッケージ名(Bundle ID)の登録
  • アプリの機能説明
  • アプリのスクリーンショット
  • SDKリスト(使用している第三者SDKの一覧)

ミニプログラム届出の義務化(2024年9月以降段階的施行)

WeChat(微信)、Alipay(支付宝)、百度、抖音などのプラットフォーム上で動作するミニプログラムにもICP届出が必要になりました。

ミニプログラム届出の流れ:

  1. ミニプログラムの主体(開発企業)がICP届出を保有していることが前提
  2. 各プラットフォームの管理画面でミニプログラム届出情報を提出
  3. プラットフォーム経由でMIITに届出情報が送付される

2025〜2026年の追加変更点

  • 顔認証の厳格化:AI技術を活用した本人確認の強化
  • 変更届出のオンライン化:以前は書面が必要だった変更手続きの電子化が進展
  • クロスプラットフォーム統合管理:ウェブサイト、アプリ、ミニプログラムの届出情報を統合的に管理する新システムの運用開始
  • 定期的な情報更新義務:届出情報に変更が生じた場合、30日以内の更新が厳格に求められるように

よくある質問(FAQ)

Q1:ICP届出にはどのくらいの期間がかかりますか?

初回届出の場合、ホスティング事業者の初期審査に1〜3営業日、その後通信管理局の審査に10〜20営業日かかります。合計で約2〜4週間が目安です。書類の不備による差し戻しがあると、さらに1〜2週間追加される場合があります。

Q2:ICP届出に費用はかかりますか?

届出手続き自体は完全に無料です。ホスティング事業者のシステムを通じて提出するため、追加料金は発生しません。ただし、前提としてそのホスティング事業者との契約(サーバー費用)は必要です。代行業者を利用する場合は別途サービス料(500〜2,000元程度)が発生します。

Q3:個人名義と法人名義、どちらで届出すべきですか?

法人の場合は必ず法人名義で行うべきです。個人名義では後から法人に変更するのが煩雑で、一部のサービス内容(ECなど)は個人届出では認められません。個人ブログなど純粋な個人利用の場合のみ個人名義が適切です。

Q4:1つの届出で複数のドメインを登録できますか?

はい、可能です。1つの主体(法人または個人)の下に複数のウェブサイト(ドメイン)を追加できます。ただし、ドメインごとにウェブサイト情報の入力が必要です。

Q5:香港サーバーを使えばICP届出は不要ですか?

その通りです。中国大陸以外(香港、マカオ、台湾を含む)のサーバーを使用する場合、ICP届出は不要です。ただし、大陸からのアクセス速度は遅くなりがちで、特にピーク時には接続が不安定になる場合があります。また、百度のSEO評価においても大陸サーバー+ICP届出ありのサイトが優遇される傾向があります。

Q6:届出が完了する前にウェブサイトを公開できますか?

いいえ。届出完了前にウェブサイトを公開すると、届出申請が却下されます。審査期間中はサイトをアクセス不能な状態(403や閉鎖中のページ表示)にしておく必要があります。

Q7:届出済みのドメインを他のサーバーに移転した場合はどうなりますか?

ホスティング事業者が変わる場合は「接入変更」(アクセスプロバイダー変更)の手続きが必要です。届出番号は維持されますが、新しいホスティング事業者側で「新規接入」の手続きを行う必要があります。

Q8:ドメインをまだ取得していない場合はどうすればよいですか?

まずドメインを取得し、実名認証を完了する必要があります。NamesLinkは香港最大のドメイン登録プラットフォームで、.com、.cn、.netなど幅広いドメインの登録が可能です。ドメイン空き状況チェックツールを使えば、1,500種類以上の拡張子をミリ秒単位で検索できるため、ICP届出に適したドメインを効率よく見つけられます。

よくある却下理由と対策

ICP届出の審査で却下される主なパターンと、その対策を整理します。

却下理由1:主体情報と証明書の不一致

症状:企業名、住所、法定代表者名のいずれかが営業許可証と一致しない

対策

  • 入力時に営業許可証を手元に用意し、一字一句正確に転記する
  • 特に注意すべきは「括弧」の全角・半角、スペースの有無
  • 住所は省・市・区から正確に記載

却下理由2:ドメイン所有者情報の不一致

症状:ドメインのWHOIS情報(実名認証情報)と届出主体が一致しない

対策

  • 届出前にドメインの実名認証が完了していることを確認
  • ドメイン所有者名が届出主体(法人名または個人名)と完全に一致していること
  • 法人届出の場合、ドメインは必ず法人名義に変更してから申請

却下理由3:ウェブサイトがアクセス可能な状態

症状:審査期間中にウェブサイトにコンテンツが表示されている

対策

  • 届出完了までドメインのDNS解析を停止するか、サーバー側で403を返す設定に
  • 「届出審査中」のプレースホルダーページを表示する場合も省によっては却下されるため、完全にアクセス不可にするのが安全

却下理由4:ウェブサイト名称が不適切

症状:個人届出でウェブサイト名に「会社」「企業」「商城」などの法人用語を使用、または名称が曖昧すぎる

対策

  • 個人届出の場合:「○○の技術ノート」「○○写真ギャラリー」など具体的で個人的な名称
  • 法人届出の場合:「株式会社○○公式サイト」など正式名称を使用
  • 「中国」「中華」などの国名を含む名称は基本的に却下される

却下理由5:SMS認証の期限切れ

症状:工信部からのSMS認証コードを24時間以内に使用しなかった

対策

  • 届出申請後は常に携帯電話を確認できる状態に
  • 認証コードが届いたら即座に認証を完了する
  • 中国国内の携帯番号が確実に受信できることを事前に確認

却下理由6:前置審批が未取得

症状:ニュース、出版、教育、医療、薬品、金融などの特定分野のコンテンツを扱う場合、関連部門の事前許可が必要だが未取得

対策

  • 自社サービスが前置審批対象に該当するか事前に確認
  • 該当する場合は先に関連部門の許可を取得してから届出申請
  • 判断に迷う場合はホスティング事業者のサポートに相談

却下理由7:写真の品質問題

症状:証明書の写真が不鮮明、一部が切れている、反射で文字が読めない

対策

  • 明るい場所で撮影し、四隅が完全に写真に収まるようにする
  • 反射を避けるためフラッシュは使用しない
  • 解像度は十分に高く、文字が明瞭に読み取れること
  • スキャナーがあれば写真よりスキャンの方が確実

届出完了後の維持管理

ICP届出は「取得して終わり」ではありません。継続的な管理が必要です。

届出番号の表示義務

ウェブサイトのフッターに届出番号を表示し、工信部の届出確認ページ(https://beian.miit.gov.cn)へのリンクを設置することが法的に義務付けられています。

<a href="https://beian.miit.gov.cn" target="_blank">京ICP备12345678号</a>

情報変更時の届出更新

以下の場合は30日以内に届出情報の変更手続きが必要です:

  • 法人名の変更(社名変更など)
  • 法定代表者の変更
  • ウェブサイト責任者の変更
  • サービス内容の大幅な変更
  • 新しいドメインの追加

ホスティング事業者変更時の手続き

サーバーを別の事業者に移行する場合:

  1. 新しいホスティング事業者側で「接入備案」(アクセス追加届出)を申請
  2. 審査通過後、旧ホスティング事業者の接入を解除
  3. 届出番号は変わらない

注意:先に旧事業者との契約を解除してしまうと、届出が「空殻備案」(実体のない届出)と見なされ、抹消される可能性があります。必ず新事業者での接入完了後に旧事業者を解除してください。

年次確認と抜き打ち検査

通信管理局は不定期に届出情報の正確性を確認する「抜き打ち検査」を実施します。電話確認が来ることもあるため:

  • 届出時に登録した電話番号は常に有効な状態を維持
  • 電話に出られるよう準備しておく(中国語での対応が必要)
  • 虚偽の情報が発覚した場合は届出が抹消される

届出の抹消(注銷)

ウェブサイトを閉鎖する場合やドメインを放棄する場合は、届出の抹消手続きを行うのがベストプラクティスです。放置すると:

  • 旧ドメインが他者に取得され悪用された場合、元の届出主体に責任が及ぶ可能性
  • 次回別のドメインで届出する際に「既存届出との競合」が発生する場合あり

まとめ:ICP届出成功のためのチェックリスト

ICP届出をスムーズに完了するための最終チェックリストです:

  • ドメインの実名認証が完了し、届出主体と情報が一致している
  • 中国大陸のホスティング事業者と契約済み
  • 必要書類(営業許可証、身分証明書)がすべて準備できている
  • 書類の写真は鮮明で完全
  • ウェブサイトは未公開状態
  • 中国大陸の携帯電話番号がSMS受信可能
  • 前置審批が必要な場合は事前に取得済み
  • 届出番号をフッターに表示する準備ができている

中国大陸でのオンラインプレゼンス構築を検討している場合、まずは適切なドメインの確保から始めましょう。NamesLinkでは、.cn、.com、.netなど幅広いドメインの検索・登録が可能です。ICP届出に適したドメインが見つかったら、本記事のステップに沿って届出手続きを進めてください。


本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。中国のインターネット政策は頻繁に更新されるため、実際の手続きにあたっては最新の公式情報(工信部公式サイト:https://beian.miit.gov.cn)をご確認ください。